後立山(長野) 布引山(2683m)、鹿島槍ヶ岳南峰(2889.2m) 2022年9月17日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:59 大谷原−−1:54 西俣出会−−3:21 高千穂平(標識)−−4:17 冷乗越(県境稜線)−−4:27 冷池山荘−−4:34 テント場−−5:18 布引山−−5:53 鹿島槍ヶ岳南峰 6:00−−7:25 布引山−−7:58 テント場−−8:05 冷池山荘−−8:16 冷乗越−−8:43 高千穂平(標識)−−9:23 西俣出会(水浴び) 9:29−−10:04 大谷原

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日22022年9月17日 日帰り
天候
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場大谷原に駐車場あり。今年は橋を渡った対岸の駐車場も利用可能だがそれを知らない登山者が多い
登山道の有無あり
籔の有無7月に延びていた草は刈られていた
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント台風接近前の晴れ間を狙って鹿島槍へ。湿った南風で空気の透明度は期待していなかったが予想外の好展望で南アルプス深南部や奥日光、尾瀬の山々がはっきりと見えた。前日の金曜日から快晴が続いていたため土曜早朝の山頂は大賑わいだった


鹿島槍ヶ岳南峰から見た奥日光の山々。最遠は男体山の約155km


大谷原左岸側駐車場。右岸側は賑わっていた 西俣出合の堰堤トンネル
一時的にガスに突入 ガスを抜けると月が明るい
冷乗越(県境稜線) 冷池山荘
テント場 布引山への登り
午前5時の東の空。日の出30分前 布引山。ここで5,6人を追い越す
雲海の上に奥日光の山々が見えた 久しぶりに尾瀬の山々も
午前5時半に日の出 最後の登り
剱岳に朝日が当たる 鹿島槍ヶ岳南峰(山頂)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た尾瀬〜奥日光方面(クリックで拡大)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た八ヶ岳〜南アルプス(クリックで拡大)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た北側の展望
鹿島槍ヶ岳南峰から見た北信の山々
鹿島槍ヶ岳南峰から見た奥日光の山々。今日は空気の透明度がかなりいい
鹿島槍ヶ岳南峰から見た後立山北部
鹿島槍ヶ岳南峰から見た穂高連峰〜槍ヶ岳
鹿島槍ヶ岳南峰から見た富士山 鹿島槍ヶ岳南峰から見た燧ヶ岳
鹿島槍ヶ岳南峰から見た至仏山 山頂のシコタンハコペ
山頂のイワツメクサ 下山時の山頂。賑わっていた
稜線がすっきりと見えている トイヤクリンドウは既にドライフラワー化
振り返る。青空が素晴らしい 赤い葉はウラシマツツジ。中央の黄色はハクサンイチゲ
タカネツメクサ 咲残ったハクサンイチゲ。この時期にあるのは非常に珍しい
ヤマハハコ ヤマホタルブクロ
アオノツガザクラ シラタマノキの実
コゴメグサ チシマギキョウ
ツガザクラ 布引山
ミヤマダイコンソウ。こんな時期に咲いているのは非常に珍しい ミヤマダイコンソウの紅葉。これが普通
コケモモの実 オヤマリンドウ
タカネヨモギ ミヤマアキノキリンソウ。稜線ではほぼおしまい
テント場。まだ昨夜のテントの残りだろう
冷池山荘。閑散とした時間帯 ゴゼンタチバナの実
マイヅルソウの実 振り返る
タカネバラの実 冷乗越
冷乗越から見た北半分の展望(クリックで拡大)
赤岩尾根に入る 上部のガレ
下部のガレ 白樺平
高千穂平を見下ろす 高千穂平(標識)
高千穂平西側から見た鹿島槍ヶ岳。まだガスが上がっていない
ゴマナ カライトソウ
短距離だけガスの層に入る 遭難慰霊レリーフ
今年整備された階段 サラシナショウマ
西俣出合の堰堤周辺は刈り払われていた 西俣出合から山頂を見上げる
分かりにくいが西俣出合から沢に下りる道は刈り払われていた 西俣出合のコゴメグサ
キバナヤマオダマキ ノコンギク
ゲート 駐車場到着。こちらは相変わらず空きあり


 敬老の日を含む3連休は台風の影響が出始めるタイミングであるが、初日だけは長野県内はの天気は大丈夫な予報。久しぶりに丸1日天気が安定する予報で時間がかかる山に行くこととし、候補は大天井岳と鹿島槍。どちらにするか悩んだが大天井岳に登るには登山口に入るまでの時間がかかるため、ちと睡眠時間不足が酷すぎると判断して鹿島槍とした。私の場合は鹿島槍に登る場合は柏原新道経由ではなく赤岩尾根である。

 登山口の大谷原は金曜夜に右岸側駐車場に数台の車あり。登山口に近い左岸側駐車場はいつものように車は皆無。端に駐車して酒を飲んで仮眠。日の出直後に山頂到着を目指して出発は午前1時の予定だ。上空は晴れて月が輝いていた。

 午前0時半前に起床。横には気付かぬうちに車が駐車していた。早い朝飯を食っていると夜間登山者の明かりが林道を歩いて行った。私との時間差は15分程度であったが、最後までこの人に追いつくことは無かったどころかその光を目にすることはなかったので、差はかなり開いたようだった。

 台風を回るように南風が入っているのでこの時期にしては気温は高くて半袖半ズボンでも全く寒くはなく、虫が出そうなので肌には虫よけを塗布してから出発。今は上空には月も星も全く見えないが、雲海の低い雲の影響だといいが。予報では夜中から晴だった。

 今回は出発時から水を持ったので西俣出合で水を汲まずに通過。堰堤手前は前回7月に歩いた時には草がはみ出していたが今回は刈り払われていた。西俣出合の林道終点ではコゴメグサが咲いていたが撮影は明るくなった帰りとして行きはパス。

 赤岩尾根は相変わらず急登の連続で、今回は思ったよりも気温が高くて今シーズン初めて夜中でも汗をかかされた。扇はもちろんだが濡れタオルまで登りで使ったのも今シーズン初だった。標高1500m付近でガスの層に突入し、しばらくはそのままガスの中を登っていく。ここで霧が出ているということは低い雲海の中なのだろう。おそらく稜線に出る前にガスの層を抜けると予想したが、予想以上に雲の層が厚くて完全にガスから抜けたのは標高2300m付近であった。ガスの層を抜ける直前、まだ薄い霧がかかった状態で月を見上げると月の周りに円形の白い輪が見えた。先週の白馬岳では白い虹を見ることができたが、それに続いて珍しい現象であった。  雲海の上は天気予報通り満天の星空であった。ここまで来ると主稜線が見渡せるようになるが、冷池山荘の光の他にテント場の光や鹿島槍へ向かう光も見えていた。時刻はもう午前4時を過ぎているので動き出している登山者がいても不思議ではない。真夏であれば森林限界を超えた場所ではライト不要な明るさになる時刻であるが、今の時期の日の出は1時間ほど遅いのでライトが必要な時間はもう1時間くらいだ。

 赤岩尾根上部の2か所のガレ場を横断して冷乗越(県境稜線)に到着。爺ヶ岳方面を見上げると近くに登山者の光あり。爺ヶ岳南峰にも光が見えた。風は弱風で体を冷やすには適度であった。

 鞍部に下って登り返して冷池山荘前では数名の登山者の姿あり。既に4時半近くであり山頂で日の出を見るには今から出発しても間に合わないタイミングであり、ザックを背負ってこれから出発という姿はなかった。テント場は10数張のテントがあり金曜夜としてはそれなりの数と言えよう。テントを畳んでいる姿も見えたので20張近くあったのかもしれない。

 稜線東側のお花畑から稜線西側に登山道が移ると森林限界を超える。前方には4,5人のライトの光が見えている。東の空はかなり明るくなってきたが森林限界でもまだライトが必要な明るさしかなかったが、ここでライトを点灯していない若者が猛烈な早さで追い越していった。真っ暗ではないがよくもライト無しで歩けるなぁ。布引山への急な登りでも若者に追い越されたが、この若者はオーバーペースらしく頻繁に足を止めてはスマホで写真撮影を繰り返し、布引山を越えた先で休憩に入ったようで私が追い越してから振り返っても見えなくなってしまった。

 布引山では4,5人の登山者が小休止中。もう日の出間近なのでここで日の出を見てから先に進むのかもしれない。私は写真撮影だけして先に進む。この時点で山頂到着は日の出に間に合わないことが確定したが、写真撮影はシャッター速度が稼げる日の出の30分後以降が望ましいので問題ない。今日は雲海だが志賀高原、浅間山、八ヶ岳、南アルプスはすっきりと見えている。それどころか志賀高原の山々の先には尾瀬や奥日光の山々も見えていた。湿った南風が入るので空気の透明度は悪いと予想したがいい意味で裏切られた。帰宅後に地図上で調べた結果。常念岳からだと男体山までの距離は170km程であるが、鹿島槍からだと155km程度であった。奥日光は思ったよりも北に位置していて後立山の方が近くなるとは知らなかった。常念岳では奥日光の方が南アルプス深南部よりも遠距離であるが、鹿島槍からでは南アルプス深南部最遠の中ノ尾根山と男体山までの距離がほぼ同じであった。今回は中ノ尾根山まですっきりと見えていた。

 午前5時半で雲海から日の出を迎える。志賀高原の横手山の右手から上がってきて立山、剱岳の山頂付近を照らしたが赤みはイマイチであった。東の水平線付近は薄い雲がかかっていたのが原因であろう。

 最後の登りで鹿島槍ヶ岳山頂(南峰)に到着。10人弱の登山者がいて思ったよりも賑わっている。上空には薄い雲が出ているが天候や展望を悪化させるものではなく晴と言っていいだろう。山頂でも気温は高めで確実に+10℃は越えていただろう。弱い風があり防寒装備を着込むがゴアを着るほどではない。手袋も軍手で十分。久しぶりの大展望で槍穂がくっきり。しかし日本海側は見通しがイマイチで旧宇奈月付近の平野部は見えていた海岸線は判別できなかった。日が低い位置では奥日光、尾瀬の山々は逆光で見えなかったが日が上がると雲海上にはっきりと姿を見せてくれた。燧ヶ岳と至仏山を見たのは久しぶり。もしかしたら今シーズン初めてかもしれない。予想外に風向きは北西で乾いた風が入っているのかもしれない。

 山頂まで出発から5時間。赤岩尾根の登りで思ったよりも疲れたので今回は北峰はパス。今日の日中は30℃を越える最高気温の予想であり、暑くなる前に下山したい気持ちもあったのも理由の一つだ。北峰往復をカットすれば1時間節約できる。今日から3連休ということもあるのか、小屋から山頂往復の登山者よりも山頂を通過してキレット方面へと縦走する登山者の方が多かった。ただし台風の影響が間接的であるが今日の夜から出始めて稜線では雨が降り始める予報であり、明日から徐々に風が強まってくるはずだ。明日に下山する人が多いかも。私は明日は休養日で明後日は天候次第で出かけるかどうか決める予定だ。

 山頂滞在は1時間強で下山開始。先週の白馬岳と違ってガスが上がってくることはなくずっと展望がいいままであった。日差しが強いので久しぶりに麦わら帽子の出番。この時期は夏の花はもうおしまいで僅かな咲き残りだけであるが、山頂ではシコタンハコベとイワツメクサ、森林限界の稜線ではタカネツメクサ、タカネヨモギ、ヤマホタルブクロ、ハクサンイチゲ、ヤマハハコ、アオノツガザクラ、ツガザクラ、コゴメグサ、イワギキョウ、トウヤクリンドウ、ミヤマダイコンソウが見られた。特にハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウが雪渓付近以外でこんな時期に咲いているのは非常に珍しい。普通の株は既に紅葉し始めていた。ウラシマツツジはかなり赤くなっていた。

 テント場、冷池山荘を通過して冷乗越へと登り返すと一気に人が増える。柏原新道を上がってきた登山者が上がってきたり、逆に下山のために柏原新道へと向かう人の姿も。でも相変わらず赤岩尾根に入る人は皆無で私だけである。この先は西寄りの風が稜線でブロックされて体感温度がさらに上がるので濡れタオルを出して首にかけた。

 赤岩尾根ですれ違った登山者は合計で10人弱程度であっただろうか。追い越した下りの登山者は2人程度であったと思う。ここしばらくは天気がイマイチで下山時は日差しが無いことが多く大汗をかくことはなかったが、今回は晴れて暑くて汗をかかされた。赤岩尾根は東向きなので午前中から日差しをもろに受けるので暑いのであった。よって西俣出合に下って堰堤を潜った先の林道終点でザックをデポして北股本谷へと水浴びに下った。ここは草藪に覆われていたが今回は刈り払いされて簡単に下ることができた。近年でここの刈り払いがされたのは今年だけである。濡れタオルで全身を拭ってすっきり。あとは汗をかかない程度のペースで林道を歩いて大谷原駐車場へ。私が駐車した左岸側駐車場の車は4台で空きがあったが右岸側駐車場は満車状態であった。

 

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